あいな観察会2014.06.29
週末の雨がずれて昨日の夜に。発生数は少なくまた空振りかと思いつつヤケクソで杉林へ突っ込むと、意外や意外、小さなキノコたちがここそこに生え始めていました。かわいい〜!
雨は足りない、気温も中途半端、人間には過ごしやすい梅雨(いちおう梅雨入り宣言してましたもんね)ですが、キノコはいつ迄経っても盛期になりません。
とはいえ、ことのほか熱心な人が集まるあいなの観察会。今回も初観察種は必ずゲットだぜ!、でございます。
もっとたくさんの眼があれば「豊漁」になるかもな〜。
(スナップ)
今日の主役はアセタケ系。
スギの太い小枝にホウライタケが・・・。
コケ蒸した杉の倒木にはツノマタタケが・・・。
ねばねばしたのは粘菌とかいうヤツか?
それが、起立してだんだんカタチを成していく・・・変形菌!。
今の季節、草むらに目立つのは・・・ウツボグサ。
あまりにも鮮やかなマンゴー色。でもアンズタケ。いまいち香りが・・・うすい。
このアセタケは最初のものと同種か?異種か?
白い尾っぽがネコのよう。「失礼な!トラの尾ですわよ!」ってか。
(キノコ)
カブラアセタケ Inocybe asterospara
物撮り。傘表面側。
物撮り。ヒダ側。
検鏡写真。シスチジア400倍。特徴的な瓶型で頭に結晶のようなものをのっけています。
検鏡写真。柄シスチジア400倍。柄の表面全体に丸い細胞の集まりとその中に立つ特徴的な細胞が散見されます。
検鏡写真。胞子1000倍。こぶが多数あります。
ヒメキシメジ Callistoporium luteoolivaceum
材上生です。ヒダ側から見ると傘の縁が黒ずんでいます。全体が黄褐色。
アセタケ属の一種 Inocybe sp.
右の2本と、その他は別種のように色合いが違いますが、実は全部、先のカブラアセタケと顕微鏡的には同じ特徴です。全部カブラアセタケだと思っています。
名前の由来のカブラ状になった柄の基部。意外と小さく、土に包まれていると完全に見えない。このように切断してわかる。
ホウライタケ属の一種 Marasmius sp.
材上生です。湿っているともう少し中央部が濃い褐色です。肉は非常に薄い。
ヒダが疎。
クロハツ? Russula nigricans ?
やや粉っぽいまんだらの質感が特徴的ですね。
写真より実物はヒダが鮭肉色がかっています。傷つくと赤みがかるのがクロハツ系の特徴ですが、実験するのを忘れていました。
ナガエノチャワンタケ Helvella macropus
スギ林に多数生えておりました。採取すると椀の内側が乾くタイミングで胞子をふわ〜っと放出します。
アンズタケの一種 Cantharellus sp.
非常に鮮やかで濃い黄橙色、裏側のしわひだなどからどう見てもアンズタケですが、匂いが弱い。乾燥するとやや匂うと言う人が出てきましたが、よくわかりませんでした。
オシロイタケ Tyromyces chioneus
柔らかくてスポンジ状で、絞ると水が出てくる。青みがかっているとアオゾメタケと判断できるがこれは全体が白い。
コンイロイッポンシメジ近縁種 Entoloma aff. cyanonigrum
青みがかった黒い鱗片が多数あり、ヒダはピンクを帯びた色。
これもなかなか同定が難しい。胞子を見ればイッポンシメジの仲間というのは直ぐ判るが・・・
カシタケ? Russula sp.
前回は白っぽかったが、これは紅色系。ヒダがややクリーム色
ベニタケ属の一種 Russula sp.
傘の色模様がまだらになっておりドクベニタケとは異なると思われる。
キツネタケの近縁種 Laccaria sp.
傘の縁に白い破片の残骸がある。ヒダの色がまだ白っぽい。
ヒビワレシロハツ? Russula alboareolata
いろいろ検索したが、表皮のヒビワレが認めがたいもののヒビワレシロハツと考える。薄い表皮、全体に白くて華奢。ところどころ褐色のしみがあり、傘周縁に溝線があること、湿時やや粘性がることなどから判断。
傘の表側。
ヒダ側。
胞子表面は突起多く、そのうちの少しが脈でつながる。
シスチジアはビン形で丸い小さな突起がときどきある。
ツノマタタケ×→ツノフノリタケ Dacryopinax spathularia ×→ Calocera cornea
かなり小さな個体で柄の過半がまだ白っぽい。 →ツノマタタケとしたが、後日8月2日にツノフノリタケと同定見直し