今年初めての調査に向けて 2017.03.04

チャムクエタケモドキと小盤菌を探して・・・

▶ スナップ

早春のキノコは少ないが、子嚢菌の小盤菌、つまり可愛いチャワンタケに出会える時期であります。

まずは早々にチャムクエタケモドキを発見!
なかなか草に埋もれて見つけにくいものですが、1つ見つけるとあとはどんどん見つかります。
       

個体は柄の繊維模様が特徴的で、傘の条線や白い繊維質の模様も見られます。
     

生態的には、シカの糞の多いところや、ササ以外のセイタカアワダチソウなどの草の生えているところに発生する傾向があるようです。
   

       

 

さて、2月にコマ打したホダ木は?・・・どうやら順調に菌は活着しつつあるようです。そ〜っとブルーシートを上げてのぞき込むと、打ち込んだ駒の表面が白く丸くなって目立っています。
   

キチャワンタケは例年通り、杉美林に出ていました。枯れ葉をのけた瞬間、ふわっと白煙が立ち、もしや!と何度か息を吹きかけ、胞子の噴出を見ることができました。
写真では、非常にうっすらとしか写りません。右の写真の椀の右下方向へ白煙が出ているのを見ることができますか?
 

▶ キノコの写真

チャムクエタケは無く、チャムクエタケモドキだったというのが今日の結論
       

     

▶ 観察リスト

001 チャムクエタケモドキ [Tubaria furfuracea (Pers.) Gillet] ハラタケ目アセタケ科チャムクエタケ属
002 キチャワンタケ? [Caloscypha fulgens (Pers.) Boud.] チャワンタケ目キチャワンタケ科キチャワンタケ属

001 チャムクエタケモドキ
小型(径1〜2cm)。傘、柄の表面が褐色で繊維質模様のキノコ。湿時濃い褐色,乾燥するに従い黄褐色〜ベージュ、薄茶色になる。給水性の無いものはチャムクエタケとされる。
ヒダは上生、直生に見えるが柄には直前で小さく垂生している。ヒダ、傘が柄からとれやすい。ヒダは汚れた黄色のち褐色。
茶色い小さいキノコ(LBM)は多いが、2〜3月上旬までのものは少なく判り易い。セイタカアワダチソウなどの草むらに生えるので見つけにくいが一本見つけると周囲に多数散生、ときに束生している。