地下生菌 2017.12.23

トリュフハンティング

▶ 調査風景

この日は、3日前に調査されたDr。モローィ氏から調査用具を提供いただいて地下生菌探査となりました。
この時期にお目当てのキノコを探すこととなるなど以前は考えてもいませんでした。
他のキノコは堅いもの、栽培もの含めて皆無に等しい状況でしたので思わぬ楽しい日となりました。

早速、撮影開始! 落ち葉をのけると、半分露出した形で見つかります。
ありました!、と数分に1つぐらい?8人で十個弱
やはり多くは有りません
     

   


▶ 採取したキノコの写真

いきなり顕微鏡写真も混じって申し訳有りませんが、なにぶん外見だけではさっぱりわからないのでご容赦ください。
ホンセイヨウショウロ
左から、胞子手前表面、中心での断面、その中間当たり
400倍で最小目盛1つが約3.2μmです。
     


残念ながらこの日めぼしいキノコはこれだけ
やはり全山乾いています。


以下、三日ほど前に当地で調査されたモローィ氏より、提供のありました地下生菌3種を検鏡しましたので、ご披露。
セイヨウショウロ属の一種?
左から、個体の様子、同裏、断面、断面拡大
ホンセイヨウショウロの匂いを弱くして少し爽やかにした感じの香り
       

左から、胞子、別の胞子(表面)、同(断面)、胞子と子嚢:1子嚢に1胞子と思われます。
       

スクレロガステル属の一種?
左から、個体の様子、同裏、断面、断面拡大
非常に甘い蜜のような、しかもややツンとくる匂い
       

組織と胞子の様子。左から、100倍、400倍、1000倍、1000倍(メルツァー反応は特に無し)
1000倍では最小目盛1つが約1.25μmです。
       

ツチダンゴ属の一種(「トゥルマリネア属の一種」としていたのを訂正)
甘い樹液または木のような香り
左から、個体の様子、同裏、断面、断面拡大
       

胞子の写真。何と、変わった形。楕円体?に大きな襟巻きあり。400倍、いちばん最後のみ1000倍。
この胞子の形からトゥルマリネア属の一種かと考えましたが、モローィ氏よりツチダンゴ属であろう、そして冬虫夏草菌に寄生されている可能性ありとご教示頂きました。
なれば、この胞子は本菌のものでない?
       

いずれにしても地下生菌はこれから力を入れて調べていきたいですね。