早春の珍しいキノコを探したい! 2018.3.24

▶ いつもキノコが少ないので山菜に目が行きがちですが、それゆえ出会うキノコは珍しいものがあったりします。

4月には年度代わりで新しい許可証の交付と旧許可証の回収をしました。
西側からまわって帰ってくるコース(湿りの多い谷沿いコース)を散策しました。
これまでに観察されたキノコが中心でしたが、数が限られていたのでよく観察できました。
シイタケの収穫をしました。
女性方は久しぶりっ!に年長組が揃ってわいわい賑やかになりました。

先週続いた春雨で滝が豪快に音を立てていました

 

キノコの写真

ヒメアジロガサモドキ
       

何の変哲もない小さい茶色いキノコ(LBM = Little Brown Mushroom)ですが、コレラタケなどに近い有毒のキノコです。
ナラタケと間違えるなとの記載も見たことがありますが、そう思い込んで食べる人もいるのでしょうか。
この時期にお同じく見られるチャムクエタケモドキにも似ているところはあります(乾くと白っぽくなる)が、こちらには綿毛状のツバがあり、全体に黄色味を帯びています。
ツチグリ
 

ニクウスバタケ
   

橙褐色の濃淡模様で細かく波打った傘だけのキノコ(硬質菌)ですが、弾力のある柔らかさ。
裏面は針もしくは不揃いの櫛の歯という感じで淡いベージュ〜薄黄色をしています。
ミイノモミウラモドキ
   

傘の中央にコブ状の突き出しが見られ、すげ笠の形をしていて、柄に縦筋模様がありそれがねじれているのが一番の特徴といえるでしょう。
モミウラ(紅絹裏)とは着物の裏地で赤い色をしているもののことですが、モミウラタケ、モミウラモドキという名のキノコはヒダが淡く紅色をしていることからそう呼ばれています。
ヌメリガサ属の一種?
伊藤といろいろ調べて結局わからない初見参のキノコです。
ヒダが垂生しており白く、傘の表面に粘性が感じられることからヌメリガサの仲間かなと思います。
検鏡すると胞子はつるんとした楕円、柿の種状の形で、あまり特徴がつかめません。笠の表皮がはがれやすく、褐色の繊維質なのが特徴です。柄の上部がざらざらとしている感じです。
       

     

アクニオイタケ?〜クヌギタケ属の一種
 
フウセンタケ属の一種
 
コガネニカワタケ
   

寒天のようなクラゲのようなプニプニしたキノコはキクラゲ目(もく)のキノコが多いです。その中に、コガネニカワタケやツノマタタケなども含まれますがいずれも黄色〜橙色が特徴的な色で林内で目立っています。
しかし、コガネニカワタケはシロキクラゲ科、ツノマタタケはアカキクラゲ科。この決定的な違いは、担子器の形の違い。つまり顕微鏡でないと判別はできないということです。
しかし何度もこうしたキノコを見ていると何となく種が異なるキノコは似ていてもどこか違うと感じることがあります。
もちろん初見で、シロキクラゲの仲間かアカキクラゲの仲間かは区別できません。担子器が肉眼で見えないのですから。これらは書物で学習することが大切です。

顕微鏡写真

■ヒメアジロガサモドキ
       

胞子はざらざらしている感じを見受けます。胞子が担子器についていたときの名残である胞子盤(ざらざらの無い楕円の部分)かなと思われる部分も認識できます。
猛毒の「ヒメアジロガサ」はこの胞子盤が無いとされています。
   

■コガネニカワタケ
   

ヌメリガサ属の一種